1677人が本棚に入れています
本棚に追加
* * *
明和中の校門の少し前に空き地がある。
そこに車を止めて、二人で歩いた。
「うわー、本当に久しぶりっ! 懐かしい」
時刻は午後三時過ぎで一番日差しがきつく感じる時間帯。
肌が痛い。
そして蝉の大合唱がかなり耳障りでうっとおしい。
「うんざりする暑さだな」
常務は手をパタパタさせている。
ほぼ、無駄な行為に等しい。
「ええ、本当に」
生ぬるい風を送った所で涼しくなるとは思えないけどな、と
あたしは彼に苦笑を送った。
校門を抜け、下駄箱の方へ近づいたけど
人のいる気配は全くなくて…。
「あっ、よく考えたら、“今日から夏休み?”」
あらら、最後、二人ではもっちゃった。
最初のコメントを投稿しよう!