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あまりにきれいに重なったので、顔を見合わせくすくすと笑った。
つくづく、常務とは波長が合う。
車中でかかっていたラジオから流れる曲の好みや
好きなアーティストも同じで。
オリンピックの陸上選手の話とか、
共通点が多いと自然に話題が出てくるし、話していて楽しい。
くだらないジョークや
あたしをいじくるようなつつき話を飛ばしてくるけど、
悪意は感じられなくて。
そして、それを嫌がって軽くあしらいつつも、
本音は―――…
あたしはそのやり取りを楽しいとさえ思い始めている。
「職員室には先生がいるだろ? 行って見るか?」
「でも、知ってる先生はもういないと思う」
少しばかり塗装がはげかけてるけど校舎は変わりない。
でも、
ここにはもう、あたし達を知っている人は誰もいない。
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