第8話

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「グラウンドへ行きましょうか」 「そうだな」 常務があたしの前を歩いて、あたしはその後ろについた。 あ…れ。 あたし、いつだったか、 そういえばこうやって……常務の後ろを歩いて…いて、 そして…… 不明瞭な記憶の糸を辿ろうとしていた時、 常務が急に立ち止まり、あたしも爪先立ちした。 ここはちょうど部室が立ち並ぶ小屋に差し掛かったところ。 くるりと振り返ったかと思ったら、 あたしの腕を掴んでひっぱった。 「戻れ」 「え? っちょ、 どうしたんです?」 「人がいる」 あたしは何が何やらさっぱり。 「いいじゃないですか。  別に悪い事しに来たんじゃないんだし」 「バカ。 顔だけそっと出して、見てみろ」 訝しく思いながらも、とにかくその通りにしてみれば。
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