第8話

24/37
前へ
/37ページ
次へ
そして、 普通に戻れたことに心の内側でほっとため息をついた。 「どんなこと書いたか覚えてます?」 「普通のカップルならやろうとするおきまりのこと―――… …相合傘」 え!? あたし、そんなことしようなんて、常務に言ったんだ? これでも優等生だったんだけどな…。 うーん。  バカップルっていうのは案外嘘じゃないかも。 それにしても、いくら彼女に言われたからって 一緒になってやってしまう常務もどうなの? これが若気の至りってやつかな……? 想像だけど……、あたしに甘かったのかな……。 「見つからないな」 あたしも一緒になって壁に這い蹲(ツクバ)るようにして 目を凝らす。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1677人が本棚に入れています
本棚に追加