第8話

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その声に気づいたようで、あたし達の方へ近づいてきた。 「あれ…おまえ等、確か…」 顔は覚えてるけど名前が出てこないみたいで、 「新谷です。それと、落合です」 常務が助け舟をだす。 「おーーー!! そうそう!!  おまえ等、卒業してからもう何年になる?  いや、懐かしいな」 若いくせに白ひげ生やした大臣のようにかっかっか、 と太い笑い声を撒き散らすその様は変わってない。 「白石先生、長くこちらにいらっしゃるんですね。  まさかお会いできるとは思いませんでした、感激です!!」 あたし、道端で芸能人に出会ったみたいに ミーハーな声になってる。 知っている先生に会えて、 そしてむこうも覚えててくれてるってこんなに嬉しい事なのか。
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