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そして、はっとした。
その反対に、自分の好きな人に忘れ去られるって
どんなに辛い事だろうか。
常務はあたしに再会した時、
あたしの態度にどれだけ衝撃を受け、落胆しただろう。
そう思うと、あたしの血管は
つまってしまったかもって思うほど
胸がきゅうっと痛くなった。
「いや、一度勤務先の学校が変わったんだが、
一年前にまたここに戻って来たんだ。
二人ともまだ時間あるんだろ? 職員室前で待っててくれ」
「はい」
白石先生は陸上部員達に声がけをして座らせ、
軽いミーティングを始めた。
あたし達は二階の職員室へと方向転換をし、歩き出す。
「そういえば中体連、たぶん、今日は一日目だよな。
ほんと、懐かしいな」
「そうですね」
靴を脱いで客用のスリッパを拝借し、階段を上る。
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