第8話

36/37
前へ
/37ページ
次へ
「あーもう、…マジで勘弁して下さい」 手の平を顔面にあてがい、 平常心を宙へ放り投げたみたいに焦ってる。 頬が…少し紅色に染まったのを、 あたしは見逃さなかった。 「それより先生こそちゃんと奥さん見つけたんですよね?」  話が違う方向へずれるように一生懸命話題をそらしてる。 「もう独身じゃないんでしょ?」 そんな彼を不憫に思ったのか、 白石先生はそれ以上つつくのをやめた。 「ああ、子供も二人いる。 写真見るかー?」 「ええ、是非」 白石先生はカバンからごそごそと定期を取り出した。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1677人が本棚に入れています
本棚に追加