第8話

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「うそうそ、冗談。 その反対だって。  今日のおまえ見てると俺、かなりやばい」 大人な自分を取り戻せ、七海。 冷静に。 「何がでしょう?」 あ、しまった、これも敬語に入る? 「何でもない」 「何よ、気になるじゃない。 言ってよ」 何、もったいつけてるのよ。 「押し倒したくなるから、やばい」 あたしは瞬時にバッグを上にふり上げた。 ちゃちな凶器だが、こんなものしか痛めつける道具がない。 「殴るなら軽~く、やさしくね。 でも俺、益々燃えるかも」 「変態っっ!!  外に出たら半径1メートル以内には近づかないでよっ!?  近づいたら酷い目にあわせてやるからっっ」 「おまえ、中高生通り越して小学生になってるぞ」 常務はゲラゲラ笑っている。
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