第8話

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くっそぉ。  咄嗟に吐いた言葉は確かに稚拙な言葉だった。 自分でも自覚があるから余計に悲しい。 ってか、やっぱり来なきゃよかったっっ! 「やっと、七海と会話してる気分になってきた」 「え?」 「敬語って、結構きつかったよ、俺には。  ずっと“赤の他人”だと言われてるようで」 そんなに気にしていたのか。 少し、しんみり……。 「たぶん、服装のせいもあると思います。  今日は二人ともカジュアルだから」 あ、いけない。 油断すると敬語になる。  気をつけよう。 常務はギンガムチェックのポロシャツと デニムというあっさりした格好だ。
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