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哲哉が休日なのに学校へ行ってしまった日から
数日経ったある日の昼休み、哲哉はルイに
話しかけられた。
「ねぇ、ちょっと話したいことがあるから
来てもらってもいいかな?」
「え? 別にいいけど、ここじゃ駄目なのか?」
そう哲哉が聞くと、ルイは哲哉の耳元に
顔を寄せて、小さい声で話し始めた。
「僕の全帝っていう身分としての
話しがあるからここじゃ話せないんだよ」
「ああ、なるほど。
じゃあここじゃ駄目だな」
哲哉はそう言うと、席から立ち上がった。
「移動するか」
「うん! ありがとう!」
そんなやりとりをしたあと、哲哉とルイは
教室を出た。
哲哉とルイは人通りがあまりない
旧校舎の方へ行き、そこで話し始めた。
「ここなら大丈夫だろ。
んで? 話しって何なんだ?」
「うん、それなんだけどね、
実は.....」
「実は?」
「今度の休日に全帝としての僕と
王様のところに来てほしいの」
(思わぬ予想外の伏兵ここに居たぁぁぁぁ!!)
哲哉は目立つのが嫌いなので、王様の
ところには行きたくないのだ。
「えーっと....なんで俺が王様のところに?」
「あの件はとある黒髪の少年が助けて
くれて、今でもその人とは仲良くしてるよって
言ったら
『それはまさしく英雄を魔王の脅威から
救った者と同一人物に違いない。
その者をここに連れて来てはくれぬか?』
って言われちゃってね....」
「あの件? ....ああ、メタボの件か」
「うん、そうそう」
「そっかそっか~、ははは~....、
辞退してもいいか?」
「何で!?」
「目立ちたくない」
「あー....、なるほどね」
「納得しちゃったよこの人」
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