(ロリコン)勇者と(幼女)魔王

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俺が住む国は、アウヘンベルク皇国と言う。皇国、と名のつく通り、この国のトップは『アルフェス神教』と言う宗教のトップ、教皇が就いているからだ。宗教云々の話は始めると色々面倒くさいから、とりあえず国教だっていうことだけ覚えておいてもらえればいい。 で、このアウヘンベルク。領土がほぼ円状の形をしていて、東西南北それぞれ大小様々な都市、町村が存在する。そして、中央には巨大な湖が存在し、その湖の中央にある島に、この国の首都であるカスパルがある。人口はおよそ300万人で、国全体の3分の1の人口を占める。 「なあ」 ていうか、首都の話も別にどうでもいい。首都から東に300キロほど離れたところに、アッカーテという小さな町がある。人口はおよそ4,000人。主要産業は観光。というのも、ここには『女神の泉』とかいう小さな泉があって、その水を飲むと色々ご利益があるとかないとか。その水を使った料理やお土産なんかを作ったり、売ったりすることでこの町に住む人のほとんどは生計を立てている。 そんな町の西端にある二階建ての小さなボロアパートに、俺は住んでいた。 「なあってば」 家賃は月15,000ラル。ラルというのがアウヘンベルクの通貨単位だ。この町の平均家賃は64,000ラルだから、かなり安いほうだ。安いだけあって、隙間風は酷いし、床はぎしぎし音がうるさいし、風呂無しトイレ無しだし、色々酷いけれど。
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