第4話

6/6
前へ
/6ページ
次へ
それに比べて由美子は、山下と同じ会社でプログラマーとして入社し5年後退社。その後インターネットサイト作成請負業者として独立し、今では10人の社員を抱える女社長としてばりばりやっている。 山下はまるで、学校でとんでもない事に遭遇した小学生が母親に訴えるように、由美子に今日の恐ろしい出来事を話した。 その時その瞬間どう思いどう感じたのかどうしようと思ったのか、その時の自分の心境まで話した。 由美子は勿論動揺もしたが、泣きじゃくり助けを求める子供をあやすように山下の話を聞いた。 30分以上話しただろうか、今度また食事をしようと約束して電話を切った。 かつて恋人の期間も大学時代にはあったが、結局今では友達として続いている。友達以上恋人未満の感情が単なる友情以上の絆を築いているようにも思える。 由美子のおかげで山下は少し落ち着く事ができた。しかしその夜は眠れなかった。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加