作中書籍まとめ

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Ⅶ『強化せよ/シャーレム・コラ』本編p316~ ―魔法の象徴と本意について―  物質への魔力循環に移る前に、魔法の質及び性質の基盤となる、象徴と本意について簡単に述べましょう。  本意とは、“照らす”“守る”などの魔法の機能を指し、象徴とはすなわち、術者とその周囲に認識される“見た目”のことを指します。本意だけでは術者の願望ですし、象徴のみでは機能のない飾りの状態です。この2つは、切り離すことができません。  本意は、前述のとおり、魔法の機能です。『術者の意思』と置き換えることがあり、これには、専門家の見解によれば差異はあるようですが、個人での大差はなく、魔力・力の差の影響のない範囲とされています。  象徴は、『意思を適える方法』とも置き換えます。様々な影響を受けるものなのですが、中でもその大半を占めるものが、心像です。  育つ過程での経験、恐怖の対象、尊敬の対象……術者の意識の中で、最も強い心像が象徴として外に表れるというものです。“親の魔法の象徴と子の魔法の象徴が似ている”、“幼い時分、川で溺れた経験のある人物の統計をとると、その大半の象徴が水である”、“太陽の神を祀る宗教の人間の象徴は太陽を彷彿とさせるものであることが多い”などという、偶発的であるようなことが起こる原因とされています。  本意とは違い象徴は、魔力や力の影響を強く受け、本意の助長だけではなく、範囲、威力に大きな影響を与えます。明確な象徴をもつ魔法(または、それを扱う術者)が、強いという認識を持たれるのには、このような理由があるわけです。
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