第四夜-斬り裂け、彗星-

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──その夜。 皆が寝静まっている中、彼──デデデ大王は一人起きておりローアの中を探索している。 「これが天かける船〈ローア〉ですか。…成る程ね」 しかし口調からして大王ではない。けれど姿形は大王。 ──この者は一体? 「皆さんまんまと騙されちゃって。本物は『ここにはいない』って言うのにさ」 するとみるみるうちに姿が変わる、その正体は何とコメット。 そう。変装していたのだ! コメットはケラケラと笑う。 「いやー。[ギガトンハンマー]や[バタフライスピア]、そして話を聞くと[ウルトラソード]が使えたとは! 実に面白い──戦う価値がありますねぇ」 一通り笑うとコメットは手をクイッと動かす。すると手元にカードと宝石が。 「星座に意思なんてあるわけないじゃないですか。…さて残り半分ですね、自分の願いが叶うまでもうすぐだ」 もう少し彼の姿をお借りしましょう、とコメットは再び大王に変装した。 「…え、『本物は何処か』って? 彼なら自分の故郷に連れて行っちゃいました。変装するのに色々調べたかったので。まぁついでに記憶も覗かせて貰いました」 要するに、大王を拉致したのだ。 「それにしてもこの計画バレたのかな。ネズミ団長さんと蜘蛛の人、気づいていてもおかしくなさそうだもんね」
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