第六夜-炎は輝いているか-

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「デデデ大王さんは無事でしょうか。もしかして…っ」 リボンはそこで言いかけて止める。代わりに「皆さんが無事に戻ってきますように」と祈った。 「アレ?」 皆が黙っている中、沈黙を破ったのはマホロア。操縦室のモニターに映し出されている地図を見る。 「どうしましたか?」 「いや、チョットネ。…ティッ!」 キーボードで何かを打ち込むと今まで巡って来た惑星達が現れる。 「別に何もないじゃない」 「イヤ、ヨク見てヨォ。何カ気づかナイ?」 「……あぁ!!」 リボンはどうやら解けたようだ、この謎が。マホロアはパチンと指を鳴らす。 「ではリボン。答えを言ッテミテ!」 「はい。──この惑星達を外国語で表記し、最初の文字を見ると『galax』です。そして後一つの惑星が『y』ならば『galaxy』となり、『銀河』という意味になります」 「ブラボー! 流石はリボン、その通リダヨ! それにしても偶然にしては出来過ギテイルと思わナイカイ?」 その場にいる皆が頷く。そしてストロンが真剣な表情でこう言った。 「全てはコメットの計算だとオイラは思う。星座と戦わせて、大王を攫って。…ただ目的はよく分からないけどね。──っ!!」 「ストロン!?」 アイパッチがされている左目を押さえる。痛みが走ったのか表情が少し険しい。姿勢は崩れてしまったが気にしていられない。 (あぁ…君は何て質の悪い、愉快犯なんだろうね) ──ストロンがアイパッチしている理由。 それはただのアクセサリーではなく、不定期に起こる『未来予知』を極力防ぐ為である(それでも発生するは発生するが)。 だがドロッチェ達は『オッドアイがコンプレックスだから』という理由でつけていると聞いている為、まさか倒れるなど考えてもいなかったのだ。 「ネェ、彼どうシタノ!?」 「分からない! ──おいしっかりしろ、ストロン!」 「大丈夫!?」 「とっ、取り合えずベッドに寝かせましょう!! 安静にさせなくては!!」 「は、はい! ストロンさんしっかり!」 ワタワタとローアの中が一斉に慌ただしくなる。 ──彼の秘密が明らかになるのは、数ヶ月後。
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