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中学時代、よくみんなで通っていた公園。
「黒子っち。やっぱおいでよ。」
「嫌です。」
この際はっきり言うべきだと思う。
黄瀬君が凄く残念そうな顔で見つめてきたがそれは無視しよう。
「なんで無理なんスか!?」
「ボクは火神君と…誠凛のみんなとバスケがしたいんです。」
すると黄瀬君がボクを抱きしめてきた。
「俺…本当は黒子っちが好きなんスよ。だから誘ってるんス。駄目ッスか?」
気持ち悪い。
「黄瀬君…放して…んん……!」
キス…?頭がぐらぐらする。気持ち悪い。
ボクはなんとか黄瀬君に抵抗して距離をおいた。
「……黄瀬君は最低です…」
「黒子っちが俺の気持ちに答えてくれればいいんスよ…」
そう言ってまたボクを抱きしめようとする。
後ずさるもとうとう追い込まれた。後ろは網の柵で逃げられない。
「黒子っち…好きッス。大好きッスよ。俺じゃ駄目ッスか?」
「ボクが好きなのは…火神君だ!」
「もういいッスよ。力ずくでも…
「黄瀬!てめぇ…」
「火神っち…?!」
「火神君…!」
「黒子、こっちこい。」
「…はい。」
「てか、なになにっちとか止めろ!」
火神君は優しくボクの手を引いてくれた。
───ガツッ───
そう思ったのも束の間、黄瀬君に腕を掴まれる。
「黄瀬君、放して下さい。」
「黒子っち。火神っちじゃなきゃ駄目なんスか?」
「黒子?」
ここで火神君の事が好きだって言わなきゃ駄目なのか?
「はい。ボクは火神君が大好きです。火神君とバスケをしたいのは勿論のことです。それに火神君とずっと一緒にいたいんです。」
「黒子…!」
火神君がボクを見て茹で蛸になっていた。
「でも黒子っち、小学生の時から好きな人いるんスよね?確か…おぎ…
「黄瀬。」
「なんスか火神っち。」
「たとえ黒子に昔好きな人がいても今俺の事を好きでいてくれるならそれでいい。だからこれ以上黒子を困らせんじゃねぇよ。」
「…すいませんッス…」
黄瀬君はそういうとまたやろう的な事を言って帰った。
「ありがとな。」
「……はい。」
「てかお前、カントクに無断で行ったから超お怒りだったぞ。覚悟しとけ。」
怖い。
火神君がボクをどう思ってるのかはまだ解らないけど、きちんと伝えられた…と思う。
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