ボクらの初めて。

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火神君はそう言うと、ボクを抱きしめた。 「か…火神君…苦しいです…」 でも火神君は更に強く抱きしめる。 ボクも火神君に負けて、火神君の背に手を回す。 ボク達は抱きしめあったまま、ほこりっぽい部室に立ち尽くしていた。 「なあ黒子…」 「火神君…好きです…」 「おまっ……!それ俺が言おうと思って……!」 「なら言って下さい。」 いつもボクが先に言うと火神君は黙ってしまう。 「……す…きだ。」 「聞こえません。」 「黒子…俺…お前の事が好きなんだ。」 「ありがとうございます。でも、そんな事知ってますよ。でなくちゃ、抱きしめたり人前で堂々とキ…… 「待て黒子!皆まで言うな!」 途中で言葉を遮られる。 火神君はボクに可愛い可愛い言うけれど、火神君だって可愛いと思う。 「……火神君。何が我慢出来なかったんですか?」 「人の目だよ。人目気にしてお前としたい事出来ねぇのは……辛いからな。」 「火神君…ボクと何がしたいんですか?」 「えっ…!」 「?」 ボクは純粋だったから、火神君が考える事なんて予想出来なかった。 「……していいのか?」 「いいですけど……何をするんですか?」 「こういう事だろ。」 「かっ…火神君…!?」 火神君に押し倒される。ついでにとでも言うようにジャージを脱がせてきた。 「火神君…!何してるんですか……?!」 「ここまできてもわかんねぇの?」 分からないから聞いたのに… 「…分かりません。」 「あっそ。じゃあ出来ねぇな。」 「……なんでですか?」 「お前を傷つけちまうかもしれねぇだろ?」 「殴ったり蹴ったりするんですか?」 「なわけねぇだろ!そんな事じゃなくてだな…」 「他にボクが傷つく事なんてありますか?」 「○○○…とか…」 「○○○…?…え?!男同士でそんな事…出来るんですか…?」 「…うん、まあ…」 まさか火神君からそんな単語が出るとは思わなかった。
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