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───「……んぁぁ…ふ…ぁぁ…!」
「黒子…好きだ…!」
「ぅ…ぅ…ぁぁぁ!」
「イったか…?」
「……は…い……多分……」
俺は黒子の頭を撫でる。
「お前…本当に可愛いな…!」
黒子は俺をとろとろした目で見つめてくる。
「黒子…?」
「ボク…もう無理です…」
「そっか……。もう帰るか…」
「はい。」
───黒子はきっと初めてなんだ。感じたりする感覚も…だから俺の気持ちを押し付けたら駄目だったのに。
帰りながら心配になる。黒子はまだ少しぐったりしているから何も言ってこないけど、試合後の疲れているときにあんな事…
「黒子ごめん。やっぱり…嫌…だっただろ?」
「全然嫌じゃないですよ。」
「ホントかよ?」
「ホントです。気持ちよかった…」
「黒子…はずい…」
「褒めてるんですよ?」
「ははっ…サンキュ。」
黒子が真顔だったからその言葉を受け入れざるをえなかった。ホントにいつも真顔だけどな。
インターハイ予選は始まったばかり。日本一はまだまだ遠い。なのに俺は…こんな事してていいのか?このまま勝ち進めば、正邦、秀徳と、強敵と対戦することになる。もっと練習量が必要だ。なのに、黒子とわざわざ疲労が溜まることしてて…こんなんじゃ一石二鳥だ。…ん?意味違うか?まあいいや。……余裕かましてちゃ駄目だよな。
そういや、黒子って好きなやつとか、いたのか?
考えるのはいつも黒子の事。
なんでだ?
いつから黒子の事ばっか考えるように……
気付いたら。
とうとうまずいな。このままだと黒子の事しか考えてられなくなる気がする。
いや、でも気になる事は聞いとくべきだろ。恋人…だしな。
「なあ黒子。」
「?」
眠そう。
「お前…好きなやつとかいたのか?」
「……!どうしてですか?」
「なんとなく…」
「いましたよ。」
「誰だ?」
「言わなくちゃ駄目ですか?」
「う…おう!」
「初恋の人は荻原君です。」
荻原…
「荻原シゲヒロ。彼はボクとバスケをしてくれた、小学校時代の友達兼片思いの相手でした。」
「まだいんのか?」
こうなったら黒子の好きになったやつ全員聞こう。
「荻原君の事はずっと好きでした。でも火神君の前のボクの光、青峰君はボクを好きになってくれた。だから一時期青峰君と付き合っていました。」
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