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前の光。
その言葉に俺はイラっとする。
「青峰ってやつのこと、好きなのか?」
「色々あって今は連絡とれてないんですが大切な人です。けどボクが好きな人は火神君ですよ。」
ちょっと安心した。いや、かなり安心したな、こりゃ。
そういえば…!
「…黄瀬は?」
結構仲良さげだったよな。
「黄瀬君は…いちいちくっついてくるので…面倒くさいです。」
黒子…黄瀬の事は嫌い…みてぇだな。
「火神君はどうなんですか?」
「え…俺?」
そうくるとは思わなかったな…
「アメリカにいた。大好きだった。…辰也だ。氷室辰也。でも多分黒子に対しての好きとは違う。兄弟みたいなもんだ。」
「そうですか…良かった。」
「何がだ?」
「ボクが初恋なんですよね?」
「いや、初恋はアレックスかな…」
「誰ですかそれ。」
黒子の雰囲気がガラッと変わる。
「し…師匠だよ。女。年かなり上だし、今じゃ考えられねぇから。」
「良かった…!」
黒子…怒ると怖いな。
俺が初恋はアレックスって言った瞬間、黒子の目から何かが消えた。
───「ボクはここで。」
「おう!また明日な!大会頑張ろうな!」
「はい!また明日。」
黒子と別れ、どうしようもない喪失感を感じる。
「黒子…」
無意識にそう呟いてしまう。
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