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正邦戦!
───2回戦からはかなり順調に駒を進め、あっという間に準決勝。これに勝てば決勝。優勝すれば東京都の決勝リーグに出場、インターハイに大きく近づく。しかしこれに負ければ大きく退くどころか、インターハイはおろか、ウィンターカップの出場権も獲得出来なくなる。
大一番だ。
「火神君…またくま凄いですね。ちゃんと寝て下さい。」
「寝れねぇんだよ。」
「やっぱり火神君は小学生ですね。」
「ちっ……」
黒子に言われると結構くる。
俺より身長低いくせに。
…でもそんな黒子も好きだ。
「今日はカツ丼食ってきた!勝つぞ!キタコレ!」
伊月先輩マジでダジャレつまんねぇです。
あえて言わないで無視。
───控え室。
「火神君、津川君はディフェンス、相当やるわよ。それでもいける?」
「当然っすよ。俺が必ず勝つんだ…です。」
今日の相手。正邦。秀徳。二連続。去年決勝リーグで先輩達を負かした相手。リベンジの時ってわけだ。
絶対負けらんねぇよ。
───正邦はかなり手強かった。
だけど───
「去年第1Qで20点差つけてたらしいから、俺30点差くらいつけたいんだよね。がっかりしないでね!」
てめぇ…黒子になんて事…!
「がっかりしないように…頑張ります。」
黒子から発せられた言葉。それを聞いて少し安心した。黒子が気合い入れたんだ。俺が…俺が津川を倒すんだ!
───黒子の活躍もあって第1Qは同点。
津川もギャーギャー言ってるが知るかよ。
第2Q開始。すぐさま正邦の圧巻とも言えるべきディフェンス。
でも俺には黒子がいる。黒子となら…!
連携プレーはずっと練習してきたんだ。こんなとこで負けるかよ!
「火神君。」
「なんだ?」
「流石です!格好いいです。」
「し…試合中に恥ずかしい事…言うな!」
ったく…黒子はいつもそうだよな。
でもその直後。
「オフェンスファウル、黒10番!」
俺は気づけば4つ目のファウル。
でも日向先輩から出た言葉は、意外なものだった。
「黒子も引っ込める。お前らは前半までだ。正邦は俺達が倒す。」
先輩達だけで。そう、それは、次の決勝、緑間との対戦に備え、俺らを温存させる為だった。
黒子はすんなり受け入れる。
「大切なのはもうひとつの理由の方です…火神君…先輩達は正邦相手に去年のリベンジをしたい。2年生だけで。」
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