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すれ違い。
「火神、黒子出てた時、確かに黒子のこと褒めてた。けど同時に俺がもっと強くならなくちゃ駄目だって。黒子が引っ込んでるとき、あいつ1人でやるんじゃないかなって。」
「そんな事ないです。」
「でも火神は黒子以外あまり信頼してないみたいだし。」
火神君が先輩達を信頼してない?
「火神君を勝手に解釈しないで下さい。」
───秀徳戦。案の定降旗君の想定した通りになってしまった。
開く点差。火神君が1人で戦おうとしても結果は見えていた。
タイムアウト。
「俺1人でも勝つんだ!」
彼と約束した。必ず勝つと。でも、力を合わせて戦うべきだ。なのに。
「1人で勝っても、意味なんかないだろ。」
ボクは少なからず火神君に失望した。
ボクは彼を殴った。
「黒子…悪かった。」
「分かってくれたならいいですよ。」
火神君の足はもう限界を迎えていた。
第4Q跳べるのはあと2回。
でも火神君はその回数を超えて跳んだ。
───残り5秒。
日向先輩がスリーを決め逆転。82-81
勝ったと思った。けどまだだった。
ボールは緑間君に渡り残り3秒。
火神君は…跳べる。
それでもきっと、緑間君はフェイクを入れてくる。だから。
ボクが助けに行くんだ!
(目線:火神大我)───まずい。
動けよ!俺の足!
俺は最後の力を振り絞って跳んだ。
「!!!!!」
フェイク?!
ここへきてフェイク。
もう間に合わない!───
「信じてました。」
「黒子!」
緑間も俺もあっけにとられる。
───「試合終了!82-81、誠凛!」
勝った。俺達は勝った。
決勝リーグ、進出だ!
───折角勝ったのに、黒子が寂しそうな目で俺を見る。
「黒子…どうした?」
「火神君…足大丈夫ですか?」
「当分跳べねぇなこれ。」
俺は笑いながら言ったのに、黒子の表情は変わらない。
マジでなんかあったのか?
「火神君…正邦戦の後のこと、降旗君に全部見られてました。」
「え。」
嘘だろ。
降は多分普通だから、同性愛なんて受け入れられない。というより、普通受け入れられないよな。たまたま俺も黒子も同性愛者だったってだけだ。
決めた。
「黒子。もう俺に近づくな。」
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