青峰君。

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青峰君。

火神君と少しの間離れる。 正直約束するほどでもなかった。 火神君は足を負傷していてしばらくは練習に参加出来ないから結局離れる事になっていたからだ。 ───火神君に話しかけたい。そんな衝動を抑えた。 火神君はきっと、今の気持ちが勢いなのかもしれないから、離れてみて確認したいってことなんだろう。 ボクには毎日が地獄のようだ。 火神君は勢いでボクとヤり…たくなるのか? ───授業中、火神君の背中を眺める。 いつもよりずっと恋しく見える。抱きしめたいそんな衝動に駆られ、ずっと耐えていた。 けど、我慢出来なくなって。 ボクは思わず火神君の背中に右手が触れてしまった。 なか指と人差し指に熱が伝わる。 「……あっ……!」 やってしまった。 顔が熱くなる。 我慢しなくちゃ駄目だった。もう少しの辛抱だったのに。 「か…がみくん…」 「先生。」 火神君がいきなり先生を呼び出すから、ボクは窓に目を向けた。外の景色がどんななのかは全く分からないけど。 「黒子…体調悪いみたいなんだ…です。保健室連れてく…です。」 「分かった。黒子、大丈夫か?無理するなよ。」 「はい。」 ───廊下でボク達は立ち止まった。 「あの、火神君…すみません。」 「……黒子…」 唇に熱い感触。ほんの一瞬だった。 「火神君…ホントに…すみません…我慢します…もうしません…」 「いや、もういいよ。」 「もういいって…まだ3日しか経ってないですよ…?」 「いや、いいんだ。もう分かったから。」 「分かった?」 「ああ。俺もお前に触れたくて触れたくて、練習見るだけ見て、黒子と何も話さないで帰って…最初はさ、友達としていればいいんじゃないかって思った。でも違う。俺はお前を抱きしめたい。お前にキスしたい。お前を…抱きたい…」 「顔赤いですよ。」 「うるせぇ。とにかく、俺は黒子とは友達としてじゃ出来ない事がしたいと思ってる。だからもういいんだ。お前だって俺が冷めたわけじゃないだろ?」 「………」 冷めた目で見つめる。勿論演技。 「え?冷めた……?」 「本気にしないで下さいよ。大好きです。ボクだってずっと火神君の事ばかり考えていたんですから。」 ボク達はずっと両思い。 きっと幸せになれる。 そう思っていた。 けれど、現実は上手くいかない。
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