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カミングアウト。
(目線:黒子テツヤ)
ボクは日向先輩と木吉先輩のいる部屋へ行った。
「日向先輩、ちょっといいですか?」
「黒子か?いいぞ。」
中に入ると先輩達は全員揃っていた。
───「で、なんだ?」
「なになにー?」
小金井先輩が興味津々に聞いてくる。
「ボク達、付き合ってます。」
「ちょ…黒子っ!直結すぎ…」
「誰と誰だ?」
木吉先輩が難しそうに聞いてきた。普通男同士なんて思わないもんな。
「ボクと…火神君です。」
「黒子と火神が…ほうほう。」
火神君の方に目をやると、何納得してんだよ?!とでも言うような表情だった。
「いいんじゃね?お前らが望むなら。」
「おい!」
他の先輩が突っ込む。
「お前らそれ本気?」
「ドッキリとかー?」
「…」
「男同士なんて嘘だろ。」
そして、最後にそう言ったのは日向先輩だった。
「嘘じゃないです。本気です。」
「俺はよくわかんねぇけど、男が好きって、おかしいだろ。」
「ボクは単純に1人の人間として火神君が好きなんです。それだけでいいと思います。」
「火神は?」
「俺も…黒子のことは好きだ…です。」
「おかしいと思わねぇのか。」
「確かにおかしいのかもしれねぇ。でも俺は黒子のこと好き
になったことは本当だし、ちゃんと自分らの気持ち整理した上で付き合うって決めたんだ!…です!」
「俺はいいと思うけどなー。なあ水戸部ー。」
小金井先輩と水戸部先輩は認めてくれたみたいだ。
「俺は…理解出来ないな。」
日向先輩はそう言うと部屋を出てしまった。
「日向先輩!」
ここで引いたらもう絶対日向先輩は認めてくれない、ふいにそう思った。
「待って下さい!」
「……」
日向先輩がボクを見る目は、若干軽蔑の目をしていた。
「まだ認めてもらえなくても構わないです。ただ、ボクはこれからも先輩達に付いていきたい。その気持ちは絶対に変わりません。だから…」
日向先輩の目を見る。
「今まで通り、普通に接してくれませんか?」
日向先輩が驚いた表情を見せる。
「黒子…わりぃな。なんか他人またいな雰囲気出しちまって…俺、お前ら認めてやれるようにするよ。」
「そんな気を使わなくていいですよ。ボク達と今まで通り接してくれるのなら、何も文句はないです。」
そんな様子を、後ろで火神君が見つめていた。
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