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部屋へ戻ると、黒子は驚いた顔で俺を迎えた。座ったまま俺を見つめている。
可愛い。
「火神君…お帰りなさい…!」
黒子はそう言うと、立ち上がって俺の手を引いた。
「火神君、降旗君達の部屋、行きましょう。」
「え…」
今…?
「わざわざ合宿中じゃなくてもいいんじゃねぇか?」
「駄目ですよ。今先輩達もみんな降旗君達の部屋に集まってもらってるんですから。」
「……分かった。」
俺は少し心配な事があった。
河原と福田はわからない。でも黒子は一度降に疑われた。
なぜか嫌な予感がした。
でも黒子をとめる事は出来なかった。
(目線:黒子テツヤ)───降旗君達の部屋に着く。
火神君はずっと浮かない顔していた。けど、先輩達もいるし、きっと平気だと思った。
「すみません、遅れてしまって。入ってもいいですか?」
「黒子か?いーよ!」
降旗君はそう言うとドアを開けてくれた。
「火神君…?」
火神君は何がそんなに心配なんだろう。
───「───というわけです。」
ボクは先輩達と話しながら降旗君達に全てを話した。
3人ともボクと火神君を直視出来ない状態だった。
「俺もまだ受けいれてない部分のが大きい。でも時間をかけて黒子と火神の事、分かってやれ。」
日向先輩、ありがとうございます。
「「分かりました。」」
河原君と福田君はまだ受けいれてもらえないみたいだけど、わかってもらえた。
問題は降旗君だ。
ボクを睨みつけていた。
「降旗君…」
「黒子…」
降旗君はボクの名前を囁くように言う。
「なんで、俺に嘘ついたの?」
え?
「俺、聞いたじゃん。正邦戦の時、お前らの関係ってそういうのなのか?って…あの時なんでちゃんと教えてくれなかったんだよ。」
「すみません。その時はまだ言う勇気がなくて…隠し通そうと思っていたので。でも今はきちんと伝えたいんです。」
「俺は、お前らの関係を認めない。」
「降!てめぇ…黒子にばっか…!」
火神君が怪訝な顔をして降旗君を睨みつけた。
「火神は関係ない。これは黒子と俺の問題だ。」
「降旗君…ボクは
「黒子は火神との関係を認めてもらいたいって気がないじゃん。だからあの時、俺に嘘ついた。」
「違います。」
「とにかく、もう話しは終わりだ。先輩、すみません。もう帰ってもらっていいですよ。」
「……ああ…」
降旗君とボクはこの日から話さなくなった。
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