32人が本棚に入れています
本棚に追加
(目線:火神大我)
黒子の中学時代のチームメイト、キセキの世代の1人が来た。
黄瀬涼太。
───こいつ…強い…!
全く歯が立たなかった。
黒子に格好悪いとこ見られたな…
黒子…俺に失望したかな?
不安を隠せない。
疲れてるわけでもないのに汗をかいていた。冷や汗か…
俺は焦っていた。黒子が黄瀬の誘いを断ったのはいい。けど、俺を好きって言ってくれたあの時の気持ちを失っていないのか。
そもそもあの好きは俺の好きと違うのか…?というより俺は黒子が好きなのか…?
俺はずっと辰也が大好きだった。でもそれはあくまでも兄に対する憧れであり、黒子に対しての気持ちとは何か違う。
俺はやっぱり、黒子が好きなんだ。
黒子と、日本一を目指したい。ここで。
───帰り、俺は黒子とマジバへ寄った。
「なあ黒子。」
「なんですか?」
「俺、黄瀬とやってた時どうだった?」
「んー…黄瀬君に完敗してて、少し残念でした。」
「やっぱりか…」
大好きなバーガーも食べ進める事が出来ないくらいショックだった。
「黒子…俺、黄瀬に絶対勝ちてぇ。」
「火神君、落ち込んでるんですか?」
「当たり前だろ!黄瀬に負けた時はまだしも、お前に………あ、いや、なんでもない。」
「ボクに…なんですか?」
「いや、その…黒子お前さ、前俺の事好きだとか言ってきただろ?だから俺が負けたの見て失望して、嫌われちったかもって思った…」
「……!」
なんか表情はあまり変わってないけど、なんか驚いてるみたいだ。
「黒子?」
「…ボクの事、気になってくれてたんですか?」
「え…ああ、まあな…」
「ありがとうございます。火神君。」
黒子はそう言うと俺のバーガーをひとつ手にとって食べ始めた。
「あっ、それ俺のっ!」
「返しますよ。はい。」
黒子が少しだけかじったバーガーを返してきた。
「お前…それっ…!」
俺が言おうした時、黒子が俺の耳元に顔を近づけて言った。
「…間接キス…して下さい。」
「…なっ!お前!」
「いやですか?ここの、好きなんですよね?」
「うっ…」
「食べない理由ないですよね?」
こいつ…わざと俺の耳元で言ったのか…
「ボクなりの愛情表現なんですから。」
えっ
そんな事言われたら食べるしかねぇじゃん。
最初のコメントを投稿しよう!