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それにしても黒子のやつ、結構積極的っつうか…大胆だよな。
俺は黒子がかじった場所と同じところにかぶりつく。
「火神君、本当になんでそんな食べられるんですか?もしかして夕食はないんですか?」
なかったら死ぬだろ。
「あるよ。」
「…いよいよ火神君の胃がわからなくなってきました。」
そう言ってバニラシェイクを飲み干したのか、ストローをチューチュー言わせる。
「お前こそ、バニラシェイクだけとか、腹に溜まんねぇだろ。」
「夕食前なのでこれでも多いくらいですよ。おかげでいつも食べきれないんです。」
「は?じゃあ飲まなきゃいいじゃねぇか。」
「そしたらボクがマジバに行く理由なくなりますよ?」
「あるだろ?」
黒子を見つめる。
「ないです。ボクバニラシェイク以外頼まないし、何も買わないなら意味がないですから。」
黒子…仕方なく一緒にいるのか?俺と…
「でも、俺といるだけでいいじゃねぇか…」
「それはどういう意味ですか?」
え…
俺は黒子から目をそらした。
「その…俺…一緒に…」
「一緒に?」
「一緒にいたい…し。」
「フフッ、ありがとうございます。」
「いっ、言わせただろ!」
「でもそれ本心ですよね?」
「……」
本心で悪いか…!
───その帰り、俺と黒子は公園に向かった。というより、黒子に誘われて公園に行った。
「火神君。」
「あ?」
黒子が真剣な眼差しでこちらを見た。
こいつはいつでもこんな可愛いのか?
「明日、黄瀬君と対戦します。」
「ああ。」
「最初ボクは火神君のプレーを見た時、もしかしたらキセキの世代と同格だと思ってました。でもそれはボクの知っている中学時代の彼らでしかない。つまり、きつい事を言うかもしれないけれど、火神君はキセキの世代にはまだ勝てない…」
「黒子…」
黒子の目が少し潤んでいた。
「こんな事言いたくはないんです…でも、火神君と、2人で戦えば…きっと…彼らにも勝てる…から…」
うんうん、と俺は頷く。
黒子の目からは涙が零れる。
「ボクと…2人で…力を合わせて…戦いませんか…?」
黒子が言い終えた時には既に黒子を抱きしめていた。
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