本入部。

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(目線:黒子テツヤ) ボクは火神君が弱いと決めつけた。火神君を傷つけたかもしれない。そう思って涙が止まらなかった…けど。 火神君に抱きしめられた。 恥ずかしくて涙も止まった。 「黒子…お前何泣いてんだよ。」 「火神君のこと…傷つけたかもしれないと思って…」 「傷つくわけねぇだろ?俺だって黄瀬に負けた時思った。今の時点では勝てないってな。黄瀬がお前を誘ったのはお前のプレースタイル認めていて脅威だって思ってるからだろ?だったら素直に自分の今の力受け入れてお前と力合わせた方がいい。俺が1人で突っ走るよりも。」 「火神君…」 「それに先輩達だっているんだ。皆で勝つぞ!」 「…はい!」 火神君は…優しい。 言葉遣いは乱暴だ。でもボクの事をちゃんと考えてくれている。それだけで嬉しかった。 ───もう午後の7時を回っていた。部活で遅くなったという言い訳は通じないかもしれない。なぜならボクは、自分の家ではなく火神君の家に向かっているのだから。 部屋が…広い。広すぎる。 「俺、ロスから帰国した後親父と住むつもりだったんだ。けど親父が仕事の都合でロスに戻る事になって。」 「火神君…1人暮らしで部屋広いなんて…むかつきますね。」 「なんでだ?」 「…それに帰国子女のくせに馬鹿ってどういう事ですか?」 「う…それは…」 「なんですか?」 「ネイティブと日本で学ぶ英語は全然違うっていうか…」 「言い訳ですか。」 「日本で勉強する英語はあんま通用しないってことだよ!文法より発音とかのが重要だろ!」 「そうなんですか…」 確かにそうかもしれない。実際どんなに文法覚えても発音が解らないと相手に伝えられない。 「では今度ネイティブの英語教えて下さい、火神君。いや、火神先生。」 火神先生。なんだか変な気持ちだ。ボクの方がきっと総合的に頭がいい。なのに火神君から教わるとなると…負けた気分だ。 「いいぜ!俺はスパルタだぜ!」 「もしスパルタだったらお返しにボクが現代文教えますよ。」 「なっ…!」 火神君は顔を赤くしてボクを睨みつける。睨みつけている筈のその目は完全にボクに負けている目だった。 「…じゃあ…優しく教える…です。」 「火神君…敬語も壊滅的ですね。」 「いや、自分でちゃんと勉強すっから!」 これ以上やると流石に可哀想だから止めておこう。
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