記憶Ⅱ ~透の場合~

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久保田さん達の姿はない。 告白するなら駅で待ち伏せだって勝手に思っていたんだけど。 しばらく駅前のモニュメントに凭れて時間を潰す。 チラホラ学生服を着た生徒が現れ始めた。 「久保田さんはどこに行ったんだろう」 さっきまで青かった空がいつの間にかグレーに変わり、今にも泣き出しそうに見える。 なんだかそれが久保田さんを表しているような胸騒ぎ。 久保田さんに電話しようと携帯を取り出して、だけど万が一落ち込んでいたらと思うとかけられなくて。 思わず晃にかけた。 .
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