記憶Ⅱ ~透の場合~

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もう少し早く気付いて止めてやればよかったのかもしれない。 あいつは誰が相手でもきっと同じだってことを。 言葉が出てこなくて黙っていたんだけど、晃のほうが振られたのかと思うくらいテンションが低くて。 かける言葉が見つからない。 「あ、悪い。また今度な」 返事も待たずに電話を切った。 目の前に現れた2人組。 この駅には不似合いな制服。 がっくり俯く久保田さんと肩を抱く加賀さん。 もう声をかける前に玉砕確定。 俺に気がついたのは加賀さんだった。 .
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