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「‥‥私も澤見さんと同じように、神戸先生にはとても驚かされたわ。もちろんいい意味で。とても純粋な情熱を持っていて、だからこそ傷付きやすくて、まるで子供のような大人で‥‥‥だからこそ、子供たちを笑顔にする事ができるって。私にとってもそれは希望になったわ」
「希望‥‥‥?」
澤見は思わず声が出ていた。
「そう。彼は必死で働く私たちの希望だったの。神戸先生に手を焼く事も多いけれど、彼が現れた事で笑う機会も多くなった。子供たちの笑顔を見て、私たちも幸せになって、神戸先生が変な事しては笑って。殺伐としていたみんなの凍った心が少しずつ‥‥彼の魔法で解かれていったの」
「魔法‥‥‥?」
「そう。彼は、神戸先生は魔法使いだわ」
何の恥ずかしげもなくそう語る小林の姿は澤見の中で神戸と重なった。
――あなたは魔法使いですか?――
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