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「空気を読むなって何度言えば分かるんだ」
「う、ごめんなさい」
一応反省するから困るんだ。
DV夫か、君は。
「間に合ったから良かったものの。妹が自宅の底なし沼で死にました、なんて馬鹿馬鹿しくて笑えない」
世界は何故か彼女を殺したがっている。
理由は全く分からないけれど、彼女の、場の空気を読みすぎる性格を利用して。
「以後気を付けます、はい」
いつもの反省。
いつもの笑顔。
「……まったく」
その顔を見ていると、怒る気力すらなくなってしまうから困り物だ。
そう言えばこの前、寝ている間に自己犠牲大呪文を覚えてたって言ってたっけ。
「……」
近い内に魔王か何かとも戦わなければいけないみたいだな、僕は。
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