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二日間学校を休んだだけだというのに、完全に授業に置いていかれている。
なんだかみんなが私より先に行ってしまったみたいな、私だけが取り残されてしまったみたいなそんな感覚。
授業中だというのに、私の視線は斜め前の席に座る彼の背中ばかり見つめていた。
時折見せるその綺麗な横顔を見る度、私の中にはあの時の記憶が鮮明に蘇る。
まるで夢のような一時だった。
彼に拒絶されて、もう二度といつもの生活には戻れないんだと思ったあの時。
あれから三日後に復帰した私の周りに特に大きな変化はなく、リーコも駿もいつも通りに接してくれた。
って事はつまり、瑞希君は私との事を誰にも話してはないし、あの時入ってきた女子生徒も私の存在には気付いていなかったって事だと思う。
瑞希君が助けてくれなかったらって思うとなんだかゾッとする。
「北原、よだれ垂れてるぞ」
「ふぇ?」
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