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先生に指摘された事でクラス中から失笑が起きる。
恥ずかしくて俯くと、耳まで熱くなってるのが自分でもわかった。
視線だけ上げて瑞希君を見ると、軽く振り返ってニヤリと口元を緩める。
うわっ!恥ずかしい!
日常にわずかな変化が訪れたのは間違いなかったが、それからしばらく彼と話す機会はなくて、また月日だけが過ぎていく。
「はぁ……」
溜め息と共に目覚めた朝、ゴールデンウィークも過ぎて季節は梅雨。
朝から窓を叩く雨の音が、私の気分を憂鬱にする。
気だるい気持ちを抱えながらベッドから這い出してすぐに冷蔵庫を開け、冷えたコーラで一気に喉を潤した。
登校十分前、普通の女の子はもっと早く起きてメイクを始めるんだろうけど、私は少しでも長く眠っていたい人間なのでいつもこんな調子。
実家にいればきっとお婆ちゃんが起こしてくれるんだろうけど、今は私を起こしてくれる人は誰もいない。
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