第2話 二つのユメ

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その笑顔もまた殺人的。 駿と出会ったのは高校に入ってからだけど、何度見てもその笑顔には一発でノックアウトされてしまう。 瑞希君とは違い駿は人当たりがいいので、私もそこそこ話す機会も多い。 彼に対して好きだと断言できないけど、とても気になる存在。 もちろん私はずっと今までそれを隠し通してきた。 彼はモテるし人気者、瑞希君と同じように私なんかの手に届く存在じゃない。 彼にとってはただのスキンシップなんだろうけど、私にとっては心を乱す誘惑でしかない。 「さぁ、走って玲美」 「あ、うん」 雨の中、傘をさして走る二人。 水溜まりを踏んだ拍子に跳ねて服にかかるけど、今はそんな事を考える事も出来なかった。 手に伝わる彼の温もりは、この冷たい雨から私を守ってくれているような気さえした。
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