第2話 二つのユメ

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特別な瞬間、それだけで私の中の恋心が揺れ動く。 こんな事されたら、好きになっちゃう……。 ダメなのに、暗い末路しか見えないはずなのに、その道へ進んでもいいんじゃないかって思っちゃう。 私は見ているだけで十分だったはずなのに。 「はぁはぁ……」 「ギリギリ間に合ったかな」 校門をくぐり抜けた時、私の制服はもうかなり湿っていて、傘を差している意味すらもうほとんどない状態。 「あはは、ビショビショだね」 「誰のせいだと思ってるの?」 彼自身も雨に濡れてビショビショになってしまっているが、それでもそんな事を気にせず彼は笑った。 彼が笑えばなんでも笑い話になってしまう。 「ホントにもう……はは、あははは!」 なんだか急におかしくなって私もつい笑ってしまった。 「ほら、このままじゃ風邪引いちゃうよ」
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