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彼が手渡してきたのは大きなタオル。
「ありがと……」
まるでこうなる事を予期していたかのような用意周到さに脱帽。
こういう小さな気遣いにも彼のすごさが見てとれる。
タオルで顔を拭くと、そのタオルから彼の匂いが少しだけ私の鼻をくすぐる。
とてもいい、落ち着く匂い。
これが駿の匂い……。
あの胸に抱かれたらきっととても落ち着くんだろうな。
「さすがにそのままじゃ教室に行けないね」
夏服ではないので下着が透けている訳じゃないけど、肌に張り付く感覚はやっぱり少し気持ち悪い。
「乾かそうか。来て」
「あ、ちょっと!」
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