第2話 二つのユメ

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彼が手渡してきたのは大きなタオル。 「ありがと……」 まるでこうなる事を予期していたかのような用意周到さに脱帽。 こういう小さな気遣いにも彼のすごさが見てとれる。 タオルで顔を拭くと、そのタオルから彼の匂いが少しだけ私の鼻をくすぐる。 とてもいい、落ち着く匂い。 これが駿の匂い……。 あの胸に抱かれたらきっととても落ち着くんだろうな。 「さすがにそのままじゃ教室に行けないね」 夏服ではないので下着が透けている訳じゃないけど、肌に張り付く感覚はやっぱり少し気持ち悪い。 「乾かそうか。来て」 「あ、ちょっと!」
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