壱.一般人の入学

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これからの学園生活について色々と考えていたら、いつの間にか校門に着いていた。 まあ、考え始めたのはあとは真っ直ぐ進むだけってとこだったから当然よね。 「ちょっとそこの貴女。新入生ですわよね?」 玄関に行く途中、上級生の誰かさんが新入生の誰かさんを呼び止めた。 うん。私の近くで呼び止める声が聞こえたけど多分、違う人だからスルーしよ。だって、呼び止められたと思って振り返ったらほんとは違う人でした。ってなったら恥ずかしいでしょ? 「ちょっ!なぜスルーするのですか!?貴女ですよ!!ショートカットで黒縁眼鏡と見せかけて紺色の縁眼鏡をかけた新入生!!」 新入生の誰かさんを呼び止めようとした誰かさんは『ショートカットで~』からの言葉を一度も噛まずに早口で言った。 呼び止められたのはどうやら私だったらしい。………すれ違っただけで私の眼鏡が紺色の縁眼鏡だと気づくとは(家族も知り合いも黒縁眼鏡だと思っている)……私を呼び止めた先輩は中々の観察眼があるようです。 「あっ、すみません。他の新入生のことかと思いまs………」 私は照れ笑いをしながら呼び止めた誰かさんの方を向いた。そして、その誰かさんを見て言葉を失った。
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