壱.一般人の入学

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「勧誘じゃありませんわ。ただ、声をかけといただけですわ。雑賀孫市(さいかまごいち)」 花宮さん(ロリータさん)は、不機嫌な感じに私の後ろにいる人に言った。 花宮さん、それを勧誘と言うのですよ。と思いながら一歩離れて静観することにした。 花宮さんを注意していたのは声のから想像した通り、かっこいい、勇ましい、姉貴と思わせる人だった。 でも、雑賀孫市という名前はどこからどう見ても偽名にしか思えなかった。 部活がないのに勧誘。この学園独自の活動があって花宮さんたちはそれを勧誘しているのかな?それなら、今聞いといた方が良さそうかな。 「あのう」 花宮さんがハッとこっちを見た。言い争いに夢中になっていたようだ。 「さっきから思ってたんですが、なんの勧誘なんですか?」 この言葉に花宮さんと雑賀さんは驚いたようだ。 「えっ、何も知らないでここには言ったのですか?」 「フフ、今時、珍しいことだな。」 珍しいということはここに入学しているほとんどの生徒が知っていることなのかな 志望校を絞るとき、もう少し情報を集めておいた方がよかったかな。大学はそうするか。
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