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最中の話である。
ごうごうと唸る風に乗った声は あまりに荒々しい。それに答え る声は、弱々しかった。痛い、 ほどに。
「―――あぁ、やめて!やめて ちょうだい!」
くすくすっ、と笑い声が響いた。
唸る風など関係がないのだと言 わんばかりに、鮮やかに響く声 。くすくすっ、くすくすっ。応 えは、泣き声。
「―――なにを言ってるんだよ 。今さら、今さらすぎるな!」
「そんなこと知ってる、でも! ―――後悔なんて、しない」
雷音が、空気を裂いた。
「……君のそういう最低なとこ ろ、案外好きだよ」
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