響く声と言葉。

7/12
前へ
/15ページ
次へ
third. 『最果てのお話をしよう。』 彼は彼女と出逢い、彼女は彼と出逢った。それは必然であり偶然であり、間違いないものである。 周囲には絶望。 それ以外のものはない。哀しみなんてものではない。哀しみはいつか薄れるが、絶望は薄れない。周囲の人々の根幹に絶望を植え付ける彼らであった。 風が吹いた。 雨が降った。 雪が降った。 雲が流れた。 日が昇った。 星が瞬いた。 人は前に進んだ。 動物は成長した。 時は流れた。 時は流れた。 時は流れた。 彼らは――― 彼らは変わったのか、誰にも解らない。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加