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普段は言えないような本音を、ポロリと口に出してしまう。
そんな私を、彼は優しく抱き寄せながら、そっと耳元で囁いた。
「……充分、可愛いと思うけど。」
「え……?」
「だから、あなたの……こういうところ?」
「……。」
「他の人には見せてくれない一面、自分だけには見せてくれるって……男からしてみればそんな特権、嬉しすぎるものでしょ?」
そう言いながら、私の前髪を掻き上げて額にリップ音を鳴らしながらキスしてくる。
事が済んですぐに終了というわけでもなく、その束の間の余韻にも、まるで本物の恋人同士がそうするように小さな幸せを感じさせてくれる。
でも、どうして……?
「ねえ……」
「ん?」
「ひとつだけ、訊いてもいい……?」
「どうぞ。」
ここに来る前の、無表情で冷たい印象なんてとうに消えてしまった。
私に見せてくれる穏やかな微笑みに向かって、ずっと飲み込んできた言葉を口にした。
「どうしてあなたは……私を、抱いてくれたの?」
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