動き出した時計

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***** 翌朝、窓の外から小鳥の囀りが聞こえてくる。 きっと今日は清々しい秋晴れだな……。 ベッドに頭を乗せた状態で座ったまま眠ってしまったらしく、身体中がだるい。 今日の予定は、全身マッサージに直行だ。 目を覚ますと、すぐそこには静かに寝息を立てている葉山課長の姿。 そっと額に触れてみると、数時間前までの熱さは感じられなかった。 驚異の回復力だ。 すっかり効能を失った冷えピタを剥がしていると、閉じられていた目蓋がゆっくりと開いた。 「……気分はどうですか?」 「……。」 「熱っぽさ、少しはマシになりましたか?」 心配して訊いているのに、彼は訝しげに私を見つめてくる。 そしてついには、信じられないような言葉を吐いた。 「……どうしてあなたが、ここにいるんだ?」 「どうしてって……」 もしかして、熱に浮かされていた時の記憶……失くしている? 確かに、普段では考えられないような言葉や態度ばかりで戸惑ったけれど……。 感謝はされても、そんな明らかに怪訝な顔をされる覚えはないっつーの! .
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