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「……座れば?」
「あ……はい。」
部屋の中に入り、俺は彼女をベッドの上に座るように促した。
本気で嫌がっているのなら、普通は離れてソファーのほうへ逃げ腰になるだろう。
けれども彼女は何の警戒心も抱かないまま俺の傍へと座った。
この人、今の状況……理解できいるのかな。
「分かっていると思うけど……今日は、冗談じゃねーから。」
そう言って、隣にいる彼女に手を伸ばし、身体を仰向けに倒した。
抵抗しないようにと、その上に跨って、窮屈なスーツを脱ぎ捨てる。
「スーツを着ている間は、上司と部下の関係じゃないんですか……?」
「そんなもの、脱いでしまえば関係ない……」
これさえ脱いでしまえば、彼女を抱く負い目を感じずに済むから。
上司という殻を破いて、今はひとりの男として彼女と向き合う。
ゆっくりと身体を撫で回すと、彼女は何度も甘い声を上げる。
期待通りの反応を見せられ、俺の気持ちも徐々に高揚していく。
「意外と着やせするタイプなんだね、オネーサン。」
「……その言葉、そのままお返しするわよ。」
「強がっちゃって……。でもそれも今のうちだよ?」
「ちょっと、やめて……」
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