偶然の再会

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. 「で、私を探していた理由は……?」 「そうそう……和雑貨の店の件でクライアントの大島さんから連絡あった。 村田さんの提案してくれたプランでオッケー出たから、明日から本格始動だ。」 「え、本当ですか!?」 「忙しくなるから、本腰入れていこうな。」 「はい。」 そう言って、彼女は嬉しそうに笑顔を零す。 クロワッサンの時と同じ笑顔だ。 つられてこっちまで頬が緩みかけていると、彼女は思い出したかのように、ふと呟いた。 「それよりも、藤川さんと課長がお知り合いなんて驚きでした。」 「……俺も。もう二度と、会わない人だと思っていたから。」 会うと、色々なことを思い出してしまうから。 話したいことは尽きないくらいあるはずなのに、思い出すのが辛くて避け続けていた。 多分、薫さんも同じ気持ちだったと思う。 「もしかして、男女のわけありですか?」 「あの人とは、そういうのじゃないよ。あの人は……俺の婚約者と、親しかった人だよ。」 「婚約者……?」 「そう。ま……昔の話、だけれどね。」 .
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