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それから交代でシャワーを浴びて、再び部屋の中に戻ると、彼女はベッドの上で三角座りをしていた。
落ち着かずにソワソワしている姿が滑稽で、見ていて少し癒された。
「そろそろ慣れようよ……オネーサン。」
そう言いながら、俺は彼女を抱き寄せる。
身にまとっていたバスローブを簡単に外して、露わになった彼女の身体に、痣となって残りそうなほどのキスをする。
そのたびに身体をビクつかせながら反応する姿に気持ちは昂ってきて、彼女が我慢している声をもっと聴きたいと思った。
「……こんなんじゃ、俺の心……埋められないよ?」
潤んだ瞳を向けられて、意地悪な言葉を耳元で囁く。
抱いてあげるだなんて言っておきながら、流れは完全に俺のペース。
けれども、悪くない……。
彼女の一挙一動が、俺をどんどん狂わせていくのだから。
「じゃあ……入れるよ?」
堕ちていくだけの関係。
深みに嵌れば後戻りはできな中毒のようだ。
冷静なうちは、相手が橘さんだということは百も承知だったのに。
目に映るのは、かつて愛し合った大切な人。
最低なことだとは分かっている。
それでも、やめられないんだ……。
そうすることでしか俺は、可南子との約束を守り通せないと思ったから。
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