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偶然の再会
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その週末は、輔に呼び出されて『sky village』に来ていた。
昨晩、夜中に何度も電話をしたにもかかわらず、それを全部無視したことに対する討論会……だとか。
何処で何をしていたかという彼からの質問に、俺は本当のことを隠す必要もないと思ったので、全てを白状した。
会社関係の人間には絶対に言えないが、こいつ相手なら何の問題もない。
「それで、その女の人とは何にもしなかったんだ?」
「まあね……。そういう雰囲気でもなかったし。」
「勿体ない。美人なんだろ?」
「無駄美人だな。性格がマジできつい……」
キツイけど……。
昨日の夜は、素直で大人しかったから、調子を狂わされてしまった。
いつもあんな風なら、少しは可愛げもあるというのに。
言い寄ってくる男も、もっと大勢いるだろうに……。
すると、美人というキーワードに、輔は見事に食いついた。
「今度、ここ連れてこいよ。」
「……もう2回連れて来た。」
「マジでか!? さては俺のいない時を狙っているんだな?」
「狙ってねーし。」
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