第5話

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** 「パパ! あれ、毅の車!」 路肩に停めた毅の車。 少し空けた窓からは救急車の音が入り込んでくる。 遠ざかっていく音だ。 その後ろに車を停めて、 「おまえたちはここで待ってろ。 お父さんが聞いてくる。」 コンビニの前で警察官が何かやってる。 店員に話をきたり、 道路で何かを捜しているような… 父親が車から走ってその人たちに駆け寄る。 しばらくして、 帰ってきた。 「やっぱり、毅くんがケガをしたみたいだ。 今、どの病院か聞いてもらってる。 多分、市民病院だと思うけど、 隣町かも知れないっていうから。 大丈夫。 きっと大丈夫だ。」 落ち着かせるように言うけど、 父親の声も震えてて、 麻美も母親も、 余計に心配になってしまう… 「お願い… 毅…? 無事でいて。」 手を合わせて祈る。 犯人なんかどうでもよかった。 毅が傍にいてくれるだけで良かったのに。
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