第5話

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「イヤ! ここにいる。 毅の傍にいるの。」 手術だなんて… 私が傍に居なきゃ、 毅… 不安だよ… 「いいから! 探してきなさい。 それで、毅くんの着替えや身の回りのものや、 毅くんのバイト先に事情を話して来なさい。 それが出来るのは、 麻美だけだ。 ここにはパパがついてる。 手術が早く終わったら電話するから。 すぐには目も覚めないだろうし。」 考えたら、 私がここにいても何も出来ない。 それどころか、 泣きじゃくって… 毅に心配をかけてしまうかも知れない。 「うん、わかった。 ママ、運転してくれる?」 高校を卒業するときに免許はとった。 だけど、 大学に来るまで行くわけにはいかないし、 ほとんど乗っていないから… 運転はちょっと不安だ。 「いいわ。 パパの車で行ってきていい?」 そして、 この病院から、 悲しい思い出が… 幕を開ける。
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