第1話

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* 「……あ、危なかったぁ」 叔母さんったら、本気で私にあれを着せようとしてた。 あんな派手な服着て歩いてたら、街中で目立つに決まってるんだから。 「……それにしても、ここも凄いマンションよね?」 結婚した後に買ったであろうここは、コンシェルジュつきの高層マンション。 それぞれがお店を経営する叔母とその旦那さん。 そこを考えると……まぁ、このくらいのマンションが普通なのかも。 ポンとした音が響くと、エントランスに続くエレベーターの扉が開いた。 何度と来ているこのマンションの入り口で、当然ながら今まで誰とも会ったことはない。 ないのに―― あれって…… 「戸田さん?」
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