第1話

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ポンと再びさっきと同じ音が響く。 来た道を戻るようにまた同じフロアに来てしまった。 まるで芸能人のプライベートを覗いてしまったかのように、今の私はある意味ドキドキしていた。 さっきのって、絶対戸田さんよね? でも、どうしてこのマンションに……? しかも、叔母さんと同じ階で降りた気がする。 気がするっていうのは、戸田さんらしき姿が見えてすぐに隠れたから本当はあまりハッキリと見えてなかったんだけど。 「降りた階はしっかり確認したもんね」 ん? なんか、私ったらさっきから妙に張り切ってない? ……ううん、そんなことないわよ。 叔母さんのマンションで、たまたま見えた人が知り合いに似てるってだけだもん。 それを確かめようとしてるだけなんだから、別に張り切ってるわけじゃないもんね。
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